引用:アマゾン
話がうまく噛み合わないあなたに。
愛するあなたへ。
ここ数日の記憶を振り返ると、一回ぐらい心当たりがないだろうか?
「なんで俺の話が理解できないんだ!? アイツはバカなのか!?」という体験である。
そんな風に怒る前に、まずは落ち着いてほしい。
もしかしたらあなたは、自分の言葉に絶対的な信頼を置きすぎているのかもしれない。
著者経歴
池上 彰(いけがみ あきら、1950年8月9日 – )は、日本のジャーナリストである。東京工業大学特命教授、信州大学・愛知学院大学特任教授、京都造形芸術大学客員教授、名城大学教授、特定非営利活動法人日本ニュース時事能力検定協会理事。
かつてはNHKで、社会部記者やニュースキャスターを歴任。記者主幹だった2005年で退職したことを機に、フリーランスのジャーナリストとして各種メディアで活動している。引用:wikipedia
言葉は情報伝達ツールとして優秀ではない。
「誰かが話している時、その人の言葉から受け取る情報量は7%しかない」という有名な話がある。
実際には特定の実験下においてのみそういう数字になるらしいが、「思ってるほど人は話を聞けない」という例にはなるだろう。
そう、あなたの話が理解できないのは相手が悪いというより、「基本的に人間がアホ」なのだ……我々が思っているよりは。
話を伝えるには、わかりやすく説明するしかない。
話を伝える技術において、この日本で池上彰氏ほど知名度のある人はいるだろうか?
とにかくわかりやすい説明。
池上彰氏の話を聞いてて「わからない」という人は少ないだろう。
では、どうして私の話と違って、池上彰氏の話はわかりやすいのか?
その秘密を噛み砕いて教えてくれているのが本書である。
わかりやすく話す達人がその力を使って「わかりやすく話す技術」を教えてくれるんだから、これほどわかりやすく伝える技術がわかりやすい本はない。
……だが、この文章はわかりにくいだろうか?
コツは「地図」を渡すこと
「視聴者のあなた、あなたはいかがでしょうか」「あなたの立ち位置から見てどうでしょうか」ということを、実際に言葉にはしなくても、念頭において書こう。
引用:わかりやすく〈伝える〉技術 本文より
池上さんは徹底的に聞き手がどう感じるかを考えている。
たとえば地図を渡すこと、という表現で「私は今からこの話をします。所要時間は何分です」というようなことをまず話す。
この記事でいうと、
「池上彰さんの本の魅力を必死に伝えます。5分で読める内容です」
という感じだ。
他にも「数字のデータを身近な表現に直す(34%なら、3人に1人)」、「三の魔術を使う」、「矢印の使い方」、「ざっくりした概念図のうまい描き方」、「使いたくない言葉」などなどやはり話し方にも重要なポイントがある。
そういう意味で、この本には全編を通して勉強になるテクニック満載だ。
わかりやすく伝える技術はあらゆる人に必須スキル
わかりやすく話を伝えられれば、それだけ情報の齟齬がなくなる。
例えば一回きりの重要な商談などで相手に要点やメリットをすっきり伝えたい時、この技術はなくてはならないものになるだろう。
他にも生活に、仕事に、あらゆるシーンで役に立つことは想像に難くない。
会話は人間の基本行動だからだ。
○この本から何が得られるか?
どうすれば話をわかりやすく伝えられるか?
図解の使い方
セミナー、講演会などでの話し方など。
この本の欠点
本が池上さんの力でうまくまとめ過ぎたのか、技術とは関係ないエッセイのような部分もある。
読んでて無駄だと思えるほどではないが、本来もう70〜80ページほど削れる内容に感じた。
書評まとめ
話がうまくなりたい人におすすめ。
評価
大満足
最後まで読んでくれてありがとう。あなたが好きです。