引用:アマゾン
〇ライバルが始める頃には、もう終わっている仕事術
愛するあなたへ。
今日は数あるビジネス本の中でも非常に役立つ本を紹介したい。
それは、この「SPRINT 最速仕事術」だ。
本の題名が『最速仕事術』とあるから誤解されそうだが、この本はあなたの日々の業務を効率的にこなすためのノウハウ本ではない。
『スプリント』はプロジェクトの重大な課題をたった5日で解決するための手法である。
もちろん応用すればあなたの日々の業務を改善することにも使えるだろう。
しかし『スプリント』はどちらかと言えば、大きなプロジェクトに対してチームを組んで取りかかるものだ。
今あなたの会社が直面しているすべての問題解決にスプリントは活用できる。
新商品の開発、販売、業務改善、社員教育、あらゆるシーンで浮上してくる問題や目標を解決できる。それも短期間で。
例えば業界全体で新商品の開発競争になった時、ライバル企業がまだその方向性を探っているような段階で、あなたの会社はすでに試作品を完成させて顧客テストを実施しているだろう。
この『スプリント』というスキルを使いこなせば、あなたが手掛けるプロジェクトの進行速度は何十倍にも跳ね上がる。
この革命的な仕事術をぜひともあなたに知って欲しい。
著者の経歴
ジェイク・ナップ:GV(旧グーグル・ベンチャーズ)のデザインパートナー。「スプリント」の生みの親。GVに加わる前はグーグルでGmailからGoogle Xにいたるあらゆるプロジェクトのスプリントを指揮していた。
ジョン・ゼラツキー:GVのデザイン・パートナーとして、モバイルアプリから検査報告書、日刊紙までのさまざまなものをデザインしている。GVに加わる前はYouTubeでリードデザイナーを務め、その前はフィードバーナー(グーグルが2007年に買収)の初期の社員だった。
ブレイデン・コウィッツ:2009年にGVのデザイナーチームを立ち上げ、ベンチャーキャピタル企業に初めて「デザインパートナー」の役職を導入する。これまで200社を越えるスタートアップに、製品デザインや人材採用、チーム文化についての助言を行っている。
引用:『SPRINT 最速仕事術』本文より
フェイスブック、マッキンゼーなども採用
『スプリント』は大きな課題に対して、解決法となるプロトタイプ(試作品)を作り上げるまでが一連の流れとなっている。
つまり問題(もしくは目標)を達成するためにはどんな解決法(商品やサービス)が必要かを考え、試作品を用意して検証し、「ほぼそれで間違いない」ところまで持っていく。
新しいプロジェクトを立ち上げ、計画し、試作品を作り上げて顧客テストを行い、フィードバックを得る。
この一連の流れはほとんどの会社で行われていることだろう。
しかし、プロジェクトをたった5日で完成させられる会社が一体どれだけあるだろう?
業種にもよるだろうが、普通は試作品を完成させるまでに数週間~数か月かかるはずである。
それをあなたの会社だけは5日で完成させられるとなれば、ライバルに大きな差をつける事ができる。
ライバル企業が3週間かかるところを、あなたの会社では1週間でやってしまう。
顧客テストもやってフィードバックを得ているから、余った2週間は試作品を改良できる。
単純に1週間で1回のペースで改良から再度顧客テストまでやったとすれば、3週間で試作品は2回も改良できている。
それだけやれば試作品はほぼ完成形のはずである。
ライバルが試作品を作り上げるころには、あなたの会社のプロジェクトは終了しているのだ。
超具体的で迷うことのない実践書
この本の良いところは、全編にわたって具体的に書かれていることだ。
『スプリント』の手順はもちろん、注意すべきことやどういう意図でその作業に臨むのかがわかるようになっている。
まるで丁寧なインストラクターのように手取り足取り教えてくれるのだ。
しかも堅苦しい文章は一切抜きで読みやすくわかりやすい。
ところどころに図解が載っているところも非常にポイントが高く、イメージが沸きやすい。
ターゲットの選定から顧客テストまで、段階ごとに細部まで詳しく書いてくれているのでほとんど疑問も沸かない。
私も数々のビジネス本を読んできたが、これほど具体的でかゆいところに手が届いている本は少ない。
『スプリント』は日本でほとんど馴染みのない手法だから、ほとんどの人はこの本を読んでも戸惑うことだろう。
だがいざ実践しようと決めて取りかかれば、きっと実践できるはずだ。
心配ご無用。
ご丁寧に巻末にはチェックリストはおろか、Q&Aまで用意されているのだ。
ここまでユーザーに寄り添ったビジネス本は他にない。
世界23ヵ国で大ヒット、日本でも5日で5万部突破
『SPRINT 最速仕事術』は日本で毎年1万点近く発行されるビジネス本の1冊に過ぎないが、詰まっているノウハウは2017年トップレベルの内容である。
日本でもたった5日で5万部突破の大ヒットとなっている。最終的に10万部を超えるかもしれない。
だがそうなら余計に、あなたもウカウカしていられない。
本を読んでそれを実行に移せる人は少ない。おそらく読んだ人の5%程度だろう。
しかし、仮に5万部の5%の人が実行すれば、2500人がこの『スプリント』を実践することになる。
もしその中にあなたのライバルがいて、『スプリント』を仕事に取り入れるなら、あなたはライバルに大きな差を付けられて大敗するハメになるかもしれない。
たった5日でプロジェクトを完成させられるような会社と、今までのやり方で戦えるはずがないからだ。
この本は他のあらゆるビジネス本と違って驚異的な破壊力を誇る1冊だ。
著書のジェイク・ナップは実際にこの『スプリント』を100回以上も実行して結果を出している。
つまり、机上の空論ではなく実戦の場で育てられたソリューションスキルなのである。
あなたが苛烈な競争社会に身を置くビジネスマンなのであれば、ぜひ一度は手に取って欲しい。
もしかしたらこの『SPRINT 最速仕事術』があなたの未来を決めるかもしれない。
この本から何が得られるのか?
たった5日で大きな課題(問題、目標)を達成するノウハウ『スプリント』を学べる。
フェイスブックやマッキンゼーなどでも採用されている有用な手段を、まだ広まっていない日本で先手を打って始められる。
この本の欠点
非常に明確な実践書であるため、中には『スプリント』に必要な条件を達成できない場合があるかもしれない。(チームのメンバーを集められない、意思決定者を巻き込めないなど)
しかしそれでも、工夫して実践してみる価値はある。
書評まとめ
超ハイスピードでプロジェクトを達成するスキル『スプリント』を学べる。
現在の日本企業が追い付けないスピードで課題を達成するスキルなので、このスキルをあなたの会社が身につければライバルに何倍も差を付けられるはずだ。
評価
殿堂入り
最後まで読んでくれてありがとう。あなたが好きです。