引用:アマゾン
最も成果を残す優秀なビジネスマンの特徴とは何か?
愛するあなたへ。
アクセンチュアは世界最高峰のコンサルティング会社である。
あらゆる業種すべてで結果を出せる人材を育成しており、一人一人がビジネスのプロフェッショナルだ。
ただし、恐らくアクセンチュアに入社した社員の中でもすべての人間が成果を出せたわけではない。
著者は高い成果を残す人の共通点として、
①未来を描く「構想力」
②多様な人財を活かせる「人間関係構築力」
③成果を出すまでやりきる「実行貫徹力」
この三つをあげている。
この本はビジネスで高い成果を残すために必要なのがこの三つだと仮定し、いかにしてこれらの能力を手に入れるかを書いた本だ。
著者経歴
作佐部孝哉。アクセンチュアの戦略コンサルティング本部シニア・プリンシパル(プリンシパルとは経営幹部に近い)。
国内外で数多くのグローバルリーダー育成プログラムを担当し、社内向けの研修講師としては全プログラム中、年間No.1の満足度を達成した。
コンサルティング会社の中で、あらゆる会社で通用する人材を育てるという意味ではアクセンチュアの背骨のような存在だと言えるだろう。
そんな作佐部氏が書いた本なので、内容的には信憑性が高いのは間違いない。
一流ビジネスマンになるためのカンニングペーパー
この本は簡潔明瞭にやるべきことが書かれた本だ。
とにかく無駄なこともなく、高い成果を出すビジネスマンになるために、いかにして、どんな考えで、能力を磨いていけばいいかがわかる。
理屈で理解し、心で理解し、さらに実績がある著者の言葉で説得される。
例えばあなたが会社勤めのビジネスマンであれば、
-組織においてまわりに影響を与える人として活躍するには、まずは発言の量自体を増やすことです。-
引用:本文より
という言葉は染みるのではないだろうか。
これは本当で、影響力のある人間になりたければとにかく発言する事は重要だ。
間違っているかもとか、そんなことはまったく気にする必要がない。
発言しなければあなたは存在しないも同然になる。
少なくとも、直接業務に関わらない人にとっては。
このことについて書いた本は他にも記憶にないので、それだけでも収穫だと思った。
仕事ができる人には共通点がある
この本を読んでいて思うのは、高いパフォーマンスを発揮する人には共通点があること。
スピードを重視し、自分の成長にこだわり、合理的な効率化を図り、正しいと思ったらしっかり意見を通す。
堂々としていて仕事に対して誰よりも真剣なのが一流ビジネスマンの特徴だろう。
自分が正しいと思うことには社長にさえ一歩も引かないという姿勢には気迫を感じる。
正直な話、仕事には摩擦がない方が楽だ。
ほとんどのビジネスマンはそちらへ流れる。
だがそれは回り回ってあなたの成長を阻害してしまう。
面倒でも、あなたが信じることが間違っていないかどうかをたくさんの資料とデータから確かめて、間違っていないのなら声を大にして意見するべきだ。
それは大きなリスクに感じるかもしれないが、本当に会社をよくするための意見なら誰かが言う必要がある。
それはあなたにとってリスクでもあるが、チャンスでもあるのだ。
そうやってあなた自身の手でチャンスを作らなければ、次のチャンスが巡ってくるのは10年後かあるいは20年後かもしれない。
それまで手をこまねいて待つよりは、明日チャンスを引き寄せた方があなたにとってプラスのはずだ
チャンスをモノにする実力はあるか?
チャンスを引きよせたところで、それをモノにするための実力があなたになければ一生成功することはできない。
ではどうすればいいか?
当然ながら、チャンスをしっかりと成果に結びつけられるようにあなたが成長するしかない。
つまり自分の能力を高めよう。
チャンスはそれ自体ではあなたに成功をもたらしてはくれないのだ。
あなたがそのチャンスを掴む準備ができてはじめて成功に繋がる。
というわけで、そのあなたの能力を磨く方法をこの本で指南しているのだ。
一流になるために必要なのは何も特殊なノウハウではない。
というよりも、まずは基本を身につけた上で「あなた固有の強み」を発見していく過程が必要になる。
そのために何をすべきかは手探りで探していくしかないのだ。
-新しい企画や発想を意図的に生み出すには、組織や自分にとって当たり前と思われていた前提や固定概念をまずは疑うことがスタートです-
引用:本文より
最初から直線の右肩上がりの成長を貫くことはできない。
恐らくワニの歯のようにギザギザの成長と後退の入り混じった結果になるだろう。
それでも努力をやめないこと。
そして正しい努力を続けること。
そのために何をすべきかわからないなら、あなたは一度この本を手に取ってみてもいいかもしれない。
一流になりたければ「一流」から学べ!
この本はそれほど画期的で目新しい事が載っている本ではない。
私のように何冊も本を読んでいればどこかで見た事のある考え方や方法論が並んでいる。
だがそれをアクセンチュアの第一人者が書くという事はそれだけ重要なことだという事だし、知っていることだからそれを実践できているかは別のことだ。
知っていることでも改めて学び、少しずつでいいから自分の血肉に変えていく。
この本にも書いてあることだが1%ずつでも毎日成長することが大切だ。
それにやはりハッとするような考え方や知識に出逢う事もある。
例えば上司を自分の味方につけてスポンサーにするという考え方。
-上司にサポーターになってもらう以上は、上司に対して、あなたも貢献する必要があります。「働く」とは「傍を楽にする」が語源とも言われますが、もし、あなたの働きで上司が楽になっていなかったら、それは上司から見たら働いてないのと同じです。-
引用:本文より
上司を味方につけるには、上司の役に立っていなければならない。
当たり前のことだが「味方につけてやる」と息巻いている時には忘れがちな『基本』だ。
一見つまらないと思える仕事をいかに意味づけして自分にとって価値ある仕事にするか。
-自分のした仕事を通じて、誰かが喜んでいる場面を思い浮かべればモチベーションを上げることができます。-
引用:本文より
仕事に対するスタンス一つにしても、イマジネーションを働かせるかどうかでモチベーションに大きく差がつく。
やりたくない、辛い仕事をどうやって乗り切るか?
それは仕事の意味付けにかかっているといっても過言ではない。
私も直近であまりやりたくない仕事を抱えているので、この意見にはハッとした。
このように、なんとなく知っている知識でも切り口を変えて語られるとハッと目から鱗が落ちることがあるのだ。
世界トップのコンサルティング会社の幹部が言うことでもあるし、その言葉に触れて損はない。
この本から何が得られるのか?
一流ビジネスマンの仕事の仕方・共通点・目指し方
この本の欠点
目新しい方法論などが書いてあるわけではない。
書評まとめ
一流を目指すなら読んでその意識に触れてみたい。
評価
そこそこ