引用:アマゾン
「お金」はいかに歴史を動かしてきたか?
愛するあなたへ。
あなたはお金の仕組み、経済についてハッキリ理解しているといえるだろうか?
お金がいかに大事なのか、それは誰でも知っていることだ。
時にはお金のために戦争が起きて何万人の人間が死に絶え、国が亡びる。
例えば第二次世界大戦のヒトラー帝国の誕生は、莫大な賠償金(借金)があったからゆえだというのは知っているだろうか?
そして、アメリカが参戦した理由もそうだということは?
それ以前、江戸時代もお金の扱いが引き金となって幕府が倒れたということは?
お金は世界を動かす大きな流れになる。
すべてではなくても、8割程度はお金が絡んで物事が動いているのだ。
あなたはそんなお金の仕組みについて、どれぐらい知っているだろう?
著者経歴
茂木 誠。東京都出身の駿台予備学校世界史科講師。首都圏各校で「東大世界史」「難関国立大世界史」等の国公立系の講座を主に担当している。iPadを駆使した独自の視覚的授業が支持を集めている。
「世界史で学べ!地政学」
「4日間集中講座 世界史を動かした思想家たちの格闘~ソクラテスからニーチェまで~」
など著作多数。
茂木誠氏のブログでも時事ネタについて語っていて、非常に理解しやすい内容になっている。
頭が二つ飛び出る教養書
この本に書かれているのは経済の世界史だ。
まず「お金とは何か?」という、誰しも知っているようで明確に答えられないテーマから始まり、TPPやサブプライムローン、アベノミクスなど直近で大きく話題になった話について経済的な観点から語られている。
お金の教養はビジネスマンとして一般的に知っていて損になる話ではないだろう。
どんな仕事でも基本を知らないと土台がぐらつく。
定食屋で「そもそも和食って何?」などと言いながら仕事するようなものである。
もちろん和食が何かを明確に知らなくても経営はしていけるかもしれないが、ある一定以上のレベルになるためには「和食について」理解する必要が出てくるはずだ。
板前さんが「和食? 知らねえよそんなもん」と言っている料亭に行きたいと思うだろうか?(外国とかに多そう)
だがお金については多くの人が勉強しようとしない。
例えば節約の仕方とか、投資についてとか、そういうテクニック部分を勉強しようとする人はいても「そもそもお金って何? 経済って何?」という部分は無視する人が多いように思う。
思えばお金は身近で当たり前すぎることだから、勉強する必要のあるものだという認識がないのだろう。
確かにそこを知らなくてもお金は稼げるのかもしれない。
しかし、結局それは和食を知らない外国の板前のようなものだ。
本当に真剣にお金を稼ぎたいなら、当たり前の基本も改めて勉強しよう。
経済の歴史を学べば、経済の未来を予測できる
茂木誠氏の<経済は世界史から学べ>では、世界がどういう風に動いているのか、経済はどう動いてきたのかを理解できることだ。
例えば、サブプライムローン問題、リーマンショックはなぜ起こったのか、その背景をあなたは理解しているだろうか?
実は、これと似た事が日本でも起こっている。
バブルの崩壊だ。
どちらも土地や不動産の価値が上がり続けた後に、急激な下落によってバブルが弾けて経済的な破綻が起こった。
ではなぜ、土地や不動産が急激に下落したのか?
日本でいえば、銀行の金利が大幅に下がることで預貯金を預けておくより、投資に回した方が利回りが良いと判断され、株や土地に大量の資金が流れ込んだ。
アメリカでいえば、返済能力のない人間にも銀行が金を貸した。もし返済不能になった場合には不動産を差し押さえて転売すれば儲けが出るという判断だ。
一般的なアメリカ人は貯金しない。
不動産などに投資して、途中で転売する事で借金返済と利益にしようとする考えが一般的だそうだ。
しかし、それは土地や不動産の価値が上がり続けることで成り立つ自転車操業で、価値が下がった途端に一気に破綻した。
日本のバブルもサブプライムも、投機的な資金をみんなが一斉に流入させたことで経済破綻を招いた。
こういう事実を知っておけば次に同じ兆候が見られた時に未来が予測できるようになる。
例えばいま日本の金利は極端に低く、国債を通して紙幣流通量は多くなっている。これはインフレになる徴候だ。そして政策としても2%のインフレを目指している。
という事は市中は金余りになるので、なにかの拍子にまたバブルのような事態が起きかねない状態と言えるのだ。
もしそのようなニュースを見かけたら、あなたは注意しておいた方がいい。
会社の上司も隣人も親族も、なにか同じものにお金を注ぎ始めたらバブルが始まっていると考えられる。
歴史は繰り返す。そこにビジネスチャンスあり。
同じ出来事は一つとしてなくても、似た背景によって似た結果に陥ることは度々ある。
「歴史は繰り返す」という名言があるが、しかし何度繰り返していても「歴史を知らない人は蚊帳の外」だ。
目の前にビジネスチャンスが来ていても決してそれを捉えられないだろう。
例えば、日本経済は現状復活の徴候はない。
しかし2%のインフレを目標としている日本経済は、確実に物価上昇を引き起こしていくだろう。
最近は食品をはじめ、身の回りのモノが値上がりしているのをよく見る。
それはある意味、日本全体で狙ってやっている部分もあるのだ。
インフレとはつまり「お金の価値が下がること」。
昨日まで100円で買えていた商品が200円になれば、見方を変えれば100円の価値は50円になったともいえる。
さらに政府が発行する国債について、毎年累計額を更新しているニュースを聞いて諦めている方もいるだろう。
あれも日銀が買い取る部分が大きいのだが、実はインフレを引き起こす要因になっている。
つまり、日本の円の価格は年々目減りしていくと考えられるのだ。
あなたがこの先30年以上は生きるなら、2047年にはお金の価値は大きく下がっているかもしれない。(つまり、いまの何倍もの物価ということだ)
例えばそういう事も、しっかり経済を勉強していれば予測できる。
恐らく日本はインフレすることはあっても、これ以上通貨の価値が上がることはないだろう。
ならばどういう対策を打つか、というと私は世界経済への投資を始めた。
またゴールドへの投資も有効だろう。
しかし、こういった施策は何年も前から始めておくから有効であって、目に見える頃にはもう手遅れになっているのである。
30年後、あなたが後悔しないためにもいますぐ「お金」について学んで欲しい。
この本から何が得られるのか?
経済の世界史、歴史
お金がどう世界に影響しているか
お金によってどう世界が動くか
この本の欠点
実務的ではなく、読んですぐ使える実用書ではない。教養書であるため即効性がない。
書評まとめ
社会人として、一人のビジネスマンとしてしっておくべき基本書
評価
大満足
最後まで読んでくれてありがとう。あなたが好きです。