引用:アマゾン
急速に進化していく社会で生き残れるか?
愛するあなたへ。
いま『AI』という言葉が流行りだしていますね。
この<AI時代の人生戦略>も、「AIがもっと主流になる未来へ向けて何をすべきか?」という事を書いた本です。
野村総合研究所が2015年に試算したところによると、労働人口の49%が20年以内に失業します。AIに取って代わられる可能性が高い職業一覧などが載っていますが、ズラリと並ぶのはやはり単純作業が多い印象。例えば、倉庫作業員やデータ入力係、変わったものでは給食調理人や駅務員などがAI化しそうです。
しかしそういった単純作業に分類される労働人口は無視できない数字で、これからの20年間でこういった人達が職にあぶれるとしたら一体どんな世の中になるか不安も覚えます。例えば、高度な教育を受けていない人はどんなに妥協しても就ける職業がなくなる世の中がくるかもしれないですね。(今は選ばなければ仕事はあるけど)
そういう意味で来るべき世の中についての警鐘を鳴らし、どういった備えをすべきかという事を書いたのがこの<AI時代の人生戦略>です。
著者の経歴
成毛 眞。HONZ代表。元マイクロソフト社長。インスパイア取締役ファウンダー。スルガ銀行社外取締役。早稲田大学ビジネススクール客員教授。
成毛 眞氏が重視するSTEMとは?
これからAI時代が到来するにあたって、成毛 眞氏が重視するのはSTEMです。
これはScience, Technology, Engineering, Mathematicsの頭文字を取ったもので、科学、テクノロジー、工学、数学の4つを指します。
主に理数系に注意を払う事が重要だと説いているわけですね。といって何も一から勉強するわけではなくても、とりあえず科学などのニュースに着目するだけでも大丈夫。要はサイエンス系の知識にまったく無縁の状態だとまずいから、そういうニュースにも注意を払いましょうという話です。
おそらくAI時代に向けて、ますますコンピューターやテクノロジー関係の知識はその存在感を増すでしょう。
今後は世の中全体が、そういったテクノロジーとは無関心でいられないという事です。
インターネットが変えた世界
すでにインターネットによって世界が大きく変わったことはあなたも感じているのではないでしょうか?
いまやネットで調べればわからない事はなくなりました。日常のちょっとした疑問ですら誰かがその答えをブログやホームぺージに載せてくれています。
しかし、インターネットがまだ登場していなかった時代はそうではなかったのです。
わからない事は本や百科事典などで調べるのが普通でした。インターネットの登場は、まるで神話の世界に登場する「世の中のすべての事が書いてある知識の盤」のように膨大な情報を多くの人に届けました。
いまやインターネットがない世界なんて想像できるでしょうか?
しかし、ほんの数十年前まではそんな世の中が当たり前だったのです。
10年、20年で世界は一変します。
おそらく20年後もまた、今とはまったく違う世界に変わっているでしょう。今のインターネットのように、AIがなくてはならないものになっているかもしれません。そんな世界になった時、時代の進化についていくためにもSTEMを鍛える事が重要となってくるという話を<AI時代の人生戦略>でされています。
後半のホリエモンとの対談も面白い
本の内容としてはAI時代に向けて、テクノロジーの知識は頭に詰め込むようにしておきましょう。そのために一番のオススメは読書ですよ。といった内容です。
それほど深く掘り下げた内容でもなく、サラッと読むのに最適かなと思います。
逆に「どうなるんだ! AI時代は!!」と気合いMAXで読み始めるとかなり物足りない印象でした。
しかしそれはそれとして、後半にある堀江貴文氏との対談が面白かったです。
例えば、イノベーションに必要なのは「言葉」ではないか、という話。
-キャズムを超えるのに何が必要かというと、言葉じゃないかという結論に達したんですよ。たとえば、クールビズ。あの言葉が生まれたおかげで、夏場はジャケットとネクタイをつけないというスタイルがキャズムを越えました。-
引用:本文より
キャズムというのは新しいモノがヒットする時にぶつかる人気の壁のようなものです。(実際には谷という意味だけど)
新しいモノが登場した時、新しいモノ好きの人たちが真っ先に使います。しかし、そこで止まるのか、さらにそこから多くの人が新しいモノを使うのか? そこにキャズムと呼ばれる壁があり、そのキャズムを越えられれば新しいモノは大流行するというマーケティングのモデルです。
つまり大流行の決め手になるのは、言葉ではないか、という予測にハッとさせられました。確かに新しいモノは言葉と共にやってきている印象ですよね。
他にも自動車会社のコアとなる技術は「エンジン技術」だから、仕組みが簡単な電気自動車への移行は歓迎していない(参入企業が増えるから)という話とか、そういう対談が非常に面白かったです。
でもこれ、あんまりAIとは関係ないかも……?
というわけで<AI時代の人生戦略>、それほど肩肘張らず、サラッと読みたい時に何となく読んでみるのは良いと思います。
ただ、あまり期待しすぎると肩透かしを食らう可能性があるかもしれません。
この本から何が得られるのか?
AI時代にどんな職業が残り、どんな職業がなくなるかの表が見れる
未来について何が大事かを考える一因になる。
この本の欠点
新書だという事もあり内容がかなり薄い
本格的にこのテーマの本を読みたいなら他の本がいいかも
書評まとめ
これからの未来について考えるのに、サラッと読める本。本格的ではないので注意。
評価
もう一歩
最後まで読んでくれてありがとう。あなたが好きです。