社畜は歯車、ノマドは使い捨て:<ノマドと社畜 著:谷本真由美(@May_Roma)>レビュー!

ノマドと社畜表紙

引用:アマゾン

ノマド大国イギリスから見た「ノマドの地獄」

愛するあなたへ。

ノマドという言葉を覚えていらっしゃいますでしょうか。一時期爆発的に流行り、今でこそあまり聞かなくなったものの、それでも潜在的に多くの人(社畜)がほんわりと憧れを抱いている働き方の一つです。

日本で言われる「ノマド」はどちらかというとネットビジネスの人間を指すことが多そうですが、 広い意味で言えばフリーランスのこと。

一つの会社に所属せず、自宅やカフェやホテルのラウンジで、好きな恰好で好きな時に働ける生活にあこがれる人も多いのではないでしょうか。素敵ですよね。自分の力で稼ぐというのも魅力的です。好きな時に好きなだけ働ける生活。素晴らしい。

ですが残念なことに社会にノマドワーカーが多くなればなるほど、地獄の様相に変わってくるようです。ノマドに憧れて夢見ることはいいことですが、厳しい現実も知っておく必要があるかもしれません。

著者の経歴

谷本真由美(@May_Roma)。Syracuse Universityにて情報管理学と国際関係論の修士を取得後、ワシントンDCのロビーストを経て、日本のインターネットベンチャーに勤務。事業企画担当としてオンラインコンテンツビジネスの買収、創業に関わる。戦略コンサルティングファームにて電子政府、インターネットメディア等のコンサルティングに従事後、イタリアの国連専門機関に情報通信官として勤務し、アフリカや南米中心に86カ国に及ぶ地域への情報通信サービス運用に関わる。一時日本に帰国し外資系金融企業のITサービス管理に従事。現在ロンドン在住。公認システム監査人(CISA) である。

引用:amazon

みんな普通に気づいていたけどやっぱりノマドは厳しい

まあ薄々というか普通にというか、あなたもなんとなく気付いている通りノマドワーカーという生き方は厳しいようです。

特に著者が住むイギリスではフリーランスで優秀な人間を使う会社が増え、高学歴の新卒でも仕事経験なしの人間は就職できなくなっているそうです。新卒一括採用という制度もなくなっている様子。

しかもイギリスはEU加盟国だったので労働の自由化により発展途上国の外国人労働者がバリバリきていたのです。こういった人々は発展途上国でエリート教育を受けた人間達で、数か国語を話し、高い技術を持ち、しかも他のイギリス人よりも熱意を持っています。(同じ10万ポンドでも、発展途上国の通貨に換算すれば大金になる)

というわけでイギリス国民は、超即戦力の外国人労働者に仕事を取られまくっている現状だそうです。

一番影響があるのは仕事の経験がない若年層。高学歴なのに就職できないままのアルバイターが続出しているのです。マクドで働く東大卒のフリーターみたいな感じの若者がいっぱい居るとのこと。結構な異常事態だと思います。

日本もちょっとずつ近づいてきているよね

我々日本人としてもイギリスのことを対岸の火事だと思ってはいられません。

最近、安いコンビニや飲食店の従業員に外国人は当たり前だし、ホテルなどでも受付が外国人だったりするのは当たり前になってきています。

それから私はIT関係の仕事に就いていた事もありますが(プログラミングとかはできないけど)、そこでもやはり外国人の存在感は非常に大きかったです。ゆっくりでも確実に、日本にも外国人労働者が進出してきています。

でも日本はとりあえずイギリスほどの極端な状況にはならないだろうと予測しています。

まず言語の問題。日本語はかなり特殊な言語なので、外国人からしたら学ぶのが難しいですよね。それに英語などは習得すれば比較的簡単に他のヨーロッパ諸国の言語も習得しやすいそうだが(文法が似てる)、日本語を覚えたからって他の言語を覚えやすくはなりません。(韓国語ぐらい)要するに日本語は潰しが効かない言語なわけです。

英語を覚えるか、日本語を覚えるかの二択であれば、規模の面から言っても英語を覚えるでしょう。そもそも日本ってちょっと衰退に入っている感がありますし。英語を覚えて、次に似ている言語を覚えていくのが合理的だと思います。

というわけで言語の壁で優秀な外国人の流入は限定的になるのではないでしょうか。

さらにもう一つ、EUのような連盟には加盟していない事もあります。

とはいえこちらはどうなるかわかりませんけどね。BRICsやらTPPやらあるので、もしかしたら外国人が日本に来やすくなる環境は整うかもしれません。TPPによって労働力が自由化すれば外国人労働者も流入してくるでしょう。現状でも契約社員など、半フリーランスの雇用形態が多くなってきていますし。

ちなみに「派遣社員」は1985年まで通訳など専門性の高い業務だけ例外的に認められていた雇用形態です。他の業種には原則禁止でした。しかし1999年に対象業務が原則自由化となり、2004年に製造業で解禁されるなど、徐々に緩和されてきた背景があります。

元々同じ仕事で派遣社員を使えるのは3年だけだったのも、抜け道があって「無期雇用」の契約を派遣社員と結べば3年以上働けるようにもなりました。仕事内容も長さも正社員と同じで、昇給もボーナスもない理不尽な雇用形態です。派遣社員はその名の通り部外者、つまりフリーランスと同じ扱いなのです。

ノマドの意味とは「遊牧民」。派遣社員はノマドに近い存在といえるでしょう。気づかない内に私たちはノマド社会に取り込まれていっているのです。

急速にではないものの、ゆっくりとイギリスのような社会が近づいてきている事は間違いないようです。

愛するあなたが生き残るために。

言わずもがなですが、10年前、20年前に比べて社会の在り方は大きく変わっていっています。

雇用の形態が変わって今では正社員が少なくなったし、安倍政権が推し進める国家戦略特区では、雇用規制の緩和も行っています。これは解雇を金銭で解決できるようにする取り組みです。

これからは望む望まないに関わらず、労働にも自由競争が持ち込まれるでしょう。つまり、「安全な場所などない」という世の中になります。誰も守ってくれない。あなたの身はあなたが守るしかない世界が来るのです。

さらに外国人労働者だけがライバルではありません。これからは人工知能、いわゆるAIもライバルになってくるでしょう。

野村総合研究所の2015年の試算によれば、AIの影響で20年以内に労働人口の49%、37万人が失業する可能性があるとの事です。労働人口の49%って、ほぼ二人に一人。そんな世の中になったら不況どころじゃないですよね。

そんな未来について語られた新書<AI時代の人生戦略>レビュー。

こんな世の中であなたが生き残るために取るべき戦略は、自己の成長しかありません。高い能力を持つものだけが仕事に恵まれ、能力の低いものには仕事がなくなる能力主義の世の中がきます。

だから一歩ずつ。少しずつでいいから、強みを伸ばしていきましょう。

自分を磨き、成長し続けましょう。

5年後、10年後、その努力はきっとあなたを助ける力になっているはずです。

この本から何が得られるのか?

外国の先例から日本の未来を予測できる

この本の欠点

外国と日本の環境の違いを配慮にしなければならない

書評まとめ

能力を持つものしか生き残れない世の中がやってくる

評価

そこそこ

最後まで読んでくれてありがとう。あなたが好きです。