幸せなお金持ちになる17の秘訣<ユダヤ人大富豪の教え 著:本田健>レビュー!

ユダヤ人大富豪の教え表紙

引用:アマゾン

濃い内容だが一つだけ欠落している事実

愛するあなたへ。

100万部を超えるミリオンセラーを記録した本田健氏の著書、「ユダヤ人大富豪の教え」はもう読みましたか? もし読んでないなら一度読んでみてもいいかもしれませんよ。

読めば確かに大ヒットした理由がわかります。

内容が非常に具体的で、すべてのページに意味のある事が書き込まれていました。ほとんどの部分で納得できるし、確かに17の秘訣をマスターすれば(本当は17個全部マスターする必要もないかもしれない)幸せなお金持ちになれそうです。非常に内容のある本だと言えます。

しかし本の内容に一つだけ欠落している事があって、私はそこが気になりました。

この本田健氏の<ユダヤ人大富豪の教え>は本当によくできています。お金持ちになるための秘訣が物語形式で次々に明かされていき、しかもそのどれにも説得力がありました。確かにこれらの秘訣を一つずつ身につけていけばお金持ちになれそうです。実際、なれるでしょう。

この本の本田健のメンターであるゲラー氏の発言を聞いていると、まるでお金持ちになるのはそう難しくない事ではないかと思えてくるほどです。

しかし私が気になったのはその「自己啓発書特有の感覚」でした。つまり、「なんの努力もせずに成功者になれそうな感覚」です。

この本はとても良い本だと思います。内容も濃く、しかも心地良く読めます。

でもある意味で心地良すぎる。

それは巧妙に「成功するための対価」を小さく見せすぎている事に原因があります。この本の熱狂的な読者(というか自己啓発にどっぷりはまった読者)なら「お金持ちになるのを難しいと思うから難しくなるんだ!」と反論されるかもしれませんが、現実問題としてお金持ちになるためには一定の努力(人一倍の努力)が必要です。

なぜならお金持ちとは、「ごく少数か、もしくはその人しか提供できない価値」を提供できた時にだけお金持ちになれるものだからです。

つまり、世の中の大多数の人ができない事をやれるようになって初めてお金持ちへの道は開かれるのです。もちろん、本田健氏も「ユダヤ人大富豪の教え」の中でそれらしい事には触れていますし、努力(行動)する必要性についても触れています。

しかし、本全体の中でそのメッセージは極端に少ないのです。

さらに本の内容が濃いものだから、他の印象的な内容に紛れてそのメッセージは簡単にかき消されてしまっていました。

そこで私が客観的に見て、本田健氏の「ユダヤ人大富豪」は何が優れていて、どんな欠点を持っているのか、その二つを丸裸にしてしまいたいと思います。

著者の経歴

本田 健。神戸生まれ。経営コンサルティング会社、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。

独自の経営アドバイスで、いままでに多く のベンチャービジネスの成功者を育ててきた。

育児セミリタイア中に書いた小冊子「幸せな小金持ちへの8つのステップ」は、世界中130万人を超える人々に 読まれている。『ユダヤ人大富豪の教え』をはじめとする著書はすべてベストセラーで、その部数は累計で300万部を突破し、世界中の言語に翻訳されつつある。

-amazonより引用-

「ユダヤ人大富豪の教え」は戦略の書

軍事用語には「戦略」「戦術」「戦闘」の三種類があるのをご存知でしょうか?

この三つにはそれぞれ違いがあります。あなたにはその違いがお分かりになるでしょうか?

いまいちピンとこない場合のために簡単に説明しておきますね。

「戦略」とは勝敗条件を決定し、長期的・広大な視野からどんな戦争に勝って何を手に入れるのかを考えることです。戦略は軍事用語ですが、実は政治色も非常に強いのを特色てしています。

例えば、どの国と戦争をするのか? 戦争に勝って何を認めさせるのか? どの国と手を組み、長期的にどこと友好関係を築き、どの国と敵対関係になるのか。その方向性を決めるのが戦略です。

戦略は、空調のきいた快適で安全な建物の中で考え出されます。

ではその下にある「戦術」はどういうものでしょうか?

「戦術」とは実際に軍を動かし、目の前に迫った敵を倒すための作戦を練る事です。戦略に沿って行動するといずれ敵とぶつかります。その時、相手を倒すために練る作戦、あるいは目標を達成するための作戦が戦術です。

戦術は、野戦テントの中で作戦を決める将校達によって決められます。

「戦闘」は、目の前の敵をひたすらに倒すことです。ここはもはや頭で考えるステップではありません。95%は考える前に動いている必要がある実践のステップです。

「戦闘」は泥にまみれ、這いつくばりながら、身体がどれだけ疲れ果てようと動き続けなければなりません。

大体、「戦略」「戦術」「戦闘」にはこのような3つの違いがあるわけです。

注目して欲しいのは、「戦略」「戦闘」のギャップです。戦略は安全で快適な場所で作られるものなのに対して、戦闘となると泥にまみれて頭を使うより先に動かなければなりません。

実際の軍隊という組織はそれぞれに役割分担があり、戦略を立案する人間は最前線に立つことはありません。だから快適な部屋からほとんど出る事はないのです。

軍隊と人生に違いがあるとすればこの点ではないでしょうか。

人生は「一人軍隊」です。

ということはつまり「戦略」「戦術」「戦闘」のすべてはあなた一人でこなさなければならないのです。もちろん、誰かと協力する事はできるし、人にやらす事のできる仕事もあります。でも私が言っているのはそういう事ではありません。

自分の人生は、自分しか生きることができないという事を忘れてはならないと思うのです。

自分の人生の目標を立て(戦略)、目標を達成するための方法を考え(戦術)、それを実行(戦闘)に移せるのは自分しかいません。だから「戦略」と「戦術」と「戦闘」はすべてあなたがこなさなければいけない仕事なのです。

そしてそれぞれの労力の比率で言えば、戦略10%、戦術20%、戦闘70%程度だと思います。つまり、戦闘(実践)の割合が圧倒的に高いのです。

人生における戦闘とは何でしょうか?

それは行動、実践、またの名を「努力」と呼ばれるものだと思います。

あなたは何の努力もせず、行動も起こさずに人生を成功させる事はできません。例えどんなに優れた戦略と戦術を考えだしても、それを実行に移さなければ机上の空論で終わります。

自己啓発にハマってはみたものの何も成果が上がらない人は、戦闘という実践を放棄した人間、つまり泥臭い努力をやろうとしない人です。完璧な戦略とのギャップを感じて、うまくいかなければすぐに投げ出します。

あなたの考えだした素晴らしい夢や人生の目標は、あなたがそれに近づく努力をしない限り、あちらから近づいてきてくれる事はありません。

本田健氏の書いた<ユダヤ人大富豪の教え>は戦略の書(快適な空調の効いた部屋で、ソファでゆったりくつろぎながら考えられる部類のモノ)という事実をしっかり踏まえた上で臨んで下さい。

幸せなお金持ちになるための戦略

幸せなお金持ち

「ユダヤ人大富豪の教え」が役に立たない嘘っぱちの本なのかというと、答えはNOです。

非常に示唆に富んだ内容の本となっています。あなたが自己啓発やお金持ちになるための秘訣について何も知らないならば、お金持ち道場に伝わる秘伝の巻物のように見える事でしょう。

本田健氏の<ユダヤ人大富豪の教え>はそれほどエキサイティングな内容になっています。ある程度、こういった自己啓発本などを読み漁ったことのある人にもオススメ。やはり大ヒットする理由にはそれなりのワケがあります。

例えば「多くの人に気持ちよく助けてもらう」「スピーチの天才になる」「セールスの達人になる」といったような、既存の自己啓発本にはあまり書かれていない具体的な戦術も書かれていて、実際に取り組みやすい内容になっているのではないでしょうか。

「金持ち父さん、貧乏父さん」で書かれている事や、「思考は現実化する」の内容など、自己啓発本で必須となりそうなエッセンスが詰め込まれているのでこれ1冊で自己啓発本は事足りるでしょう。

とはいえ、「思考は現実化する」は著者(というより出版社)が経歴やエピソードを偽っているので、あまりオススメしませんが。

引用:アマゾン 詐欺的自己啓発本の元祖 愛するあなたへ。 ナポレオン・ヒル氏の著書<思考は現実化する>は自己啓発系のバイブ...

この<ユダヤ人大富豪の教え>は幸せなお金持ちになるという目標を立て、そのためにどういう方向を目指せばいいかをわかりやすく教えてくれる良書でした。

「自己啓発本」をたくさん読んだことがある人には不要

本田健氏「ユダヤ人大富豪の教え」は素晴らしいのですが、一方で今までに「自己啓発本」や「お金持ちになる方法」の本をたくさん読んだことのある人には不要だと思います。

結局のところ、世の中の原理原則はそうコロコロと変わりません。

「戦略」というのは、変えない事が重要だったりします。例えば中国と戦争すると決めてそれに向かって準備していたのに、次はロシアと戦争しようと心変わりし、やっぱりアメリカと戦争しようとコロコロ戦略を変えていたら、状況は悪化しかしません。

というわけで「戦略」は正しい戦略を設定しなければいけません。

そしてその指針になるものというのが、こういった「自己啓発本」や「お金持ちのなり方本」には書いてありますが、その内容はほとんどなのです。不思議なぐらい一緒です。だから基本的に自己啓発本は1冊で事足ります。

というか、大ヒットしている「自己啓発本」や「お金持ちのなり方本」の内容が似ているのは、その内容を書けばヒットしやすいという事なのかもしれません。

つまり、大ヒットする自己啓発本を書くには、大ヒットしている他の本と似た内容を書けばいいということです。しかも自己啓発本に書かれてあることのいくつかは直観では正しくても、心理学的には否定されていたりするものが多いので注意が必要です。

あなたの耳に心地よい言葉が並べられていたとしても、その心地よい言葉が真実であるとは限りません。

自己啓発本に「今日からあなたは億万長者である!」と書かれていても、今日一日あなたは自分が億万長者ではなかったことに気付いて下さいね。

この本から何が得られるのか?

お金持ちになる一般的な方法

色んな自己啓発本とお金の本の内容詰め合わせ

この本の欠点

この本は戦略を立てる本であり、実行に移すためには別の計画がいる

書評まとめ

こういうジャンルの本を読んだことがない人にはオススメ。(ただし、こういう本に深くハマらないこと)

こういうジャンルの本を読んだことがある人は、ヒマなら読んでみても面白いかもしれない。ただし、自分の夢に近づくために他にやるべき事がないかを一度考えてからにしよう。

評価

そこそこ

最後まで読んでくれてありがとう。あなたが好きです。