【最高】リアル過ぎて怖くなる大企業のウラ側<華麗なる一族 著:山崎豊子>レビュー!

華麗なる一族表紙

引用:アマゾン

実話にしか思えない圧倒的な描写

愛するあなたへ。

今回ご紹介するのは厳密にはビジネス書ではありません。小説です。

しかし、フィクションに興味がない人もちょっと待ってください。この小説は、実話として書いたら確実に出版できない内容になっています。そしてごく一部のエリートだけが垣間見ることができた世界について書かれています。

政治家、官僚、大企業の腐敗がどのように進むのか。
私たちが普段何気なく目にする政治や経済ニュースの裏にどんなドラマがあるのか。

財閥と銀行について徹底的に取材され、実話と変わらないクオリティで書かれた力作です。およそ政治や銀行がどういう原理に基づいて動いているのかがわかります。

この作品をただの小説だと侮ってはいけません。著者の山崎豊子は元新聞記者であり『取材の鬼』ともいわれるほどの豪傑です。小説とはいっても登場人物や企業名が架空なだけで、ほとんどノンフィクションと言っても過言ではありません。

この華麗なる一族でインタビューした人間は400人以上にものぼるそうです。

華麗なる一族は、関西の財閥系一族が財界、政界を渡り歩きながら権謀術数をこらして財閥を伸ばそうとする話です。

政略結婚で味方を増やし、本音を隠して笑顔を浮かべ、接待で権利を持つ官僚や政治家を味方につけていく。庶民にバレればスキャンダルと化す裏取引は巧妙に行われ、深い闇に染まった登場人物たちは一人一人が歪んでいます。

そこらの平凡な小説家が書けばひどく嘘臭い作品になるでしょう。

しかし、山崎豊子の手にかかればまるで現実に起こっている事のようなリアリティが描き出されます。

いや、ここに書いてある事は正真正銘のリアルなのだと思われます。

フィクションという皮をかぶっているからこそ出版が許された、社会の闇を描いた一作なのです。

著者の経歴

山崎豊子。数々の社会派小説を書いて大ヒットを飛ばした人気作家。2013年に亡くなられた。元新聞記者で徹底的な取材を行うことから『鬼取材』で有名。代表作に「白い巨塔」「不毛地帯」「大地の子」「沈まぬ太陽」などがある。

権力や組織の裏側に迫る力作

政治や大企業の裏側をここまで克明に描いた作品が他にあるでしょうか?

この小説が発表された時、当時モデルとされた岡崎銀行会長の岡崎忠氏は山崎豊子氏を訴えると烈火のごとく怒ったというエピソードが残っています。つまりそれだけ表に出してはいけない真実が克明に描かれていたと言えます。

例えあなたが山崎豊子という著者の事を何も知らなくても、この小説は「本物」だという事はわかります。むしろ、小説でなければこのような本は世に出せなかったでしょう。

もしもノンフィクションでこういった「社会の裏側」を描いてしまえば、それはきっと権力による圧力がかかるはずです。ノンフィクションという事は「当事者」がいます。つまり、書かれることで直接の不利益を被る人間がいるという事です。

しかし、小説という形にすれば、直接の不利益を被る人間はいません。(理屈の上では)

その中で悪事を働く人間は架空の人物だからです。

でもその架空の人物がここまでリアルなのは、やはりほとんどノンフィクションと変わらない内容だからでしょう。

ただ机の前でウンウンとうなっているだけでは書けない作品である事には間違いありません。

どこへ行っても勉強できない社会を勉強できる

華麗なる一族1

小説ゆえの脚色はあるでしょう。

しかし大きな視点でみて、政治家や官僚、大企業がどういう思惑でどういう意図で動くのかという大局的な視点は読み取れるはずです。

細部は変えても原理原則となる部分は変わりません。そこがリアリティに繋がるからです。

つまり、この本を読めば政治家や官僚はどういった意図で動いているかがわかります。

権力を持つ相手にどう立ち回るか、なにが良くてなにが悪いか、100%でないにしろおぼろげながらその辺を読み取る事がこの小説の醍醐味になります。

いくらか割り引いて考えなければならないとしても、実生活に活かせる教養本である事に間違いありません。社会がそう簡単に変わらない事を考えるなら、あなたはこの本から色んなことを学べるでしょう。

読みだしたら止まらない面白さ

とにかく社会派小説としての面白さは超ド級でした。

一つのエンターテイメントとしても完成されているので、読んで損するものではありません。

もしもビジネス書を読む事に疲れてきたらこういった骨太の作品を手に取ることは大きな意味を持つでしょう。

あなたの心を楽しませながら、学ぶところの多いストーリーを見せつけてくれるのですから。

この本から何が得られるのか?

小説としての面白さ

社会の裏側を垣間見せてくれる

この本の欠点

ノンフィクションではないので、これが真実なのだと頭から信じ込まない事

書評まとめ

一度は読んでみたい小説

評価

最高

最後まで読んでくれてありがとう。あなたが好きです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする