【殿堂入り】独占企業を作り上げた社長の禁断ノウハウ<社訓「会社を大きくしない」ー我が社に競合は存在しない 著:十川 正明>レビュー!

表紙
引用:アマゾン

正しい方向性で不動の地位を築いた会社

愛するあなたへ。

明光電子という会社をあなたはご存知でしょうか?

今回ご紹介する「社訓「会社を大きくしない」ー我が社に競合は存在しない>は、その明光電子の社長十川 正明氏が執筆した本です。

BtoCの会社ではないため明光電子という名前を聞いたことのある方は少ないかもしれません。一見すると電子部品を調達するための中小企業なのかと感じるかもしれませんね。しかし、この本を読めば読むほど、その特異性に心が奪われることになります。

半導体市場の成長と共に大きくなっていったこの会社は、いまやライバルの存在しない独占的ポジションを手に入れました。もはや新規参入者が入ってこれるスキマは存在せず、大手企業も手を出せない完全な寡占市場を築き上げています。

一体なぜそんな事が可能だったのでしょうか?

難攻不落のビジネスを成立させたその道筋を、著者の明光電子社長の十川正明氏が赤裸々に明かしてくれました。

著者の経歴

十川正明。建築会社に勤めていたがオイルショックで経営が傾く。次に電子業界に入って営業を体験した後、1979年7月に独立。電子部品を取り扱う明光電子をスタートさせ、九州で地盤を固める。
多くの企業が「少品種大ロット」を狙うなか、明光電子を率いる十川正明氏は手間がかかり面倒な「多品種小ロット」に力を注ぎ続ける。その戦略がヒットし、創業36年で年商63億円を突破した。

誰もやりたがらないことをあえてやる

十川正明氏の率いる明光電子が成功した理由はなんでしょうか?

十川正明氏の著書<社訓「会社を大きくしない」ー我が社に競合は存在しない>を読んだ第一の感想は、誰もやりたがらないことを率先してやり、地位を築いたからこそ揺るぎない地盤を固められたんだな、という気付きです。

明光電子は誰もが狙うであろう「一番市場の大きい場所」では勝負しませんでした。一番取引額が大きく売上規模が大きくなる場所は、もちろん大企業も狙っているからです。あらゆる会社がその市場のパイを取り合っているのです。

しかし「電子部品」という業界には、普通の大企業が扱うには「規模が小さくて面倒」な市場がたくさんありました。同じ手間で何百万の売上が上がる市場と、数万の売上が上がる市場。大企業は規模のメリットを生かすためにも後者を相手にしなかったのです。

一方で十川正明氏は「弱者の戦略」を取りました。小さな市場でも数を集めることにしたのです。

するとどうなったでしょうか?

十川正明氏の率いる明光電子は数多ある小さな市場を完全に制圧したのです。

数万の売上しか狙えない市場でも、100個の市場を攻略できれば数百万になります。その代わり一つ一つの取引は内容が違って手間と面倒がかかりますが、逆にいえばそれだけ多種多様な会社と接点を持つ事ができるわけです。

多くの会社と接点を持ったことで、十川正明氏の明光電子はコネクター(仲介者)としての影響力を強くしていきます。取引先が多いという事はそれだけ膨大なコネがあるという事です。

こうして「特殊な機械が欲しいならこの業者」に、「この技術はあの業者」、「あの部品はこのメーカー」というように、お客のどんな要望でも対応できる態勢が整っていったのです。

そうするとお客の方も「明光電子なら何でも解決してくれる」といった信用ができるため、「困ったことがあればとりあえず明光電子へ行く」という流れが完成しました。

つまり、ただの部品会社の枠を超えてあらゆる企業の問題解決を提供できるようになったのです。

明光電子がこういう企業になるためには十川正明氏の能力はもちろんのこと、ビジネスをスタートさせるタイミングも重要でした。

半導体の黎明期に起こした会社で、明光電子は業界の市場と共に成長してきました。

業界のスキマを埋めるようにして大きくなったのです。明光電子は各会社を繋ぎとめる接着剤のような役割を担うようになりました。

ですが今からこの「接着剤」という市場を狙って新規参入するのは非常に難しいのです。なぜかといえば、業界の黎明期には小口の注文も受け付けてくれた会社の多くが、業界の市場規模が大きくなるにつれて小口の注文を受けずに大口注文を受けるようにシフトしていったからです。

明光電子は業界と共に成長してきており、各企業の役に立つ会社だったから高い信用を得ています。それゆえ、「特別に」小口の注文でも融通してもらえるのです。これが、どこの馬の骨ともわからない会社の注文では受け付けてもらえません。

この明光電子の独特のポジションこそが新規参入を阻む最大の理由です。

もはや新規参入できる余地が残っていないのです。

徹底的にビジネスを戦い抜く姿勢

戦い抜く

今や不動の地位を築いているらしい明光電子ですが、その経営スタイルはストイックな一流の仕事ぶりを貫き通しています。

この<社訓「会社を大きくしない」ー我が社に競合は存在しない>を読んで感じるのは、書かれた内容に生々しいほどの血が通っていること。

これほどまでに経営ノウハウのすべてを書き表した本が他にあったでしょうか?

これは恐らく、明光電子が新規参入者に負けない不動の地位を築いたからさらけ出せる、マル秘テクニックだと思いました。

とはいえ、基本は他の本でも書かれているノウハウが多い印象です。例えば、仕事のスピードを重視することなどはあらゆる経営者が言っていますよね。

でもなぜスピードが重要なのかを具体的に、そしてどういう狙いで重視しているのかも説明されています。ただ単になんとなくスピードにフォーカスしているわけではなく、経営方針の中で重要な役割を果たす一つの戦略として、「スピード」を重視しているのです。

他にも情報収集を非常に大事にしている点も興味深かったです。

情報収集の大切さもあらゆるところで言われていますが、新規にきた取引先の経営状態を調べたり、「従来付き合ってきた取引企業とライバル関係にないか調べる」などのノウハウは、あまり聞いた事がありませんでした。

特に新規取引は「三年後も取引できている確証がなければ、取引しない」という、長期的な取引に重きを置いているところに感銘を受けました。良い意味でお客を選んでいるのです。

自社のリソースに限りがあることを知り、最大限のパフォーマンスを発揮するために仕事を絞る姿勢は理に適っていますが、自分にはその発想がなかったため価値観をひっくり返されたような衝撃でした。

これほど学びの多い本も滅多になく、間違いなく良書だと胸を張って言い切れます。

生々しい成功要因の数々

とにかくこの本に書かれたノウハウは生々しいです。よくあるビジネス本の机上の理論ではありません。

ほとんどのビジネス本は「どこかに書いてある内容」なのに対して、この本に書かれた内容は「リアルに目から鱗」のノウハウなので時間を忘れて読書に没頭しました。

中には「そこまでやるのか」という、ちょっとエグめのノウハウもありました。そういった黒いノウハウは普通、本などには書けません。

十川正明氏がこの著書の中で書いたノウハウは違法性はないものの、やはり泥臭いというかかなり灰色のテクニックもありました。しかし、だからこそ新たな発見があり、勉強になる部分があったんです。(といって、違法性を感じるようなめちゃくちゃなテクニックではないので、そういう方向であまり期待しないで下さい)

とにかく本の中に血が通っていて、本物のノウハウだということが分かります。

一代で年商63億の会社を築き上げた十川正明氏の本物の経営戦略。ぜひとも、ビジネスマンなら読んで欲しいと感じます。

十川正明氏は元々営業畑の人なので、営業でもかなり役立つノウハウ満載です。そういう方面の人もこの<社訓「会社を大きくしない」ー我が社に競合は存在しない>はオススメです。

この本から何が得られるのか?

リアルな成功企業の経営ノウハウ

営業における一流テクニック

この本の欠点

誰にでも真似できるわけではない。

書評まとめ

真似できるかどうかはとにかく読む事をオススメする。

本物の成功体験談に触れられる。ただしこれは一つの方法であって、絶対的ではないという事は理解しておくこと。

評価

殿堂入り

ちなみに、この著者が非常にリスペクトしている「孫子の兵法実践版」を私も読んでレビューした→レビューアドレス

最後まで読んでくれてありがとうございます。あなたが好きです。