引用:アマゾン
己を制するものが成功を手に入れる
愛するあなたへ。
スタンフォード大学が成功するための要因を発見したらしい。
では一体その成功の要因とは何だろう?
学歴か、特定のスキルか、知性か、それとも別の何かなのか。
どうやらスタンフォードによると成功に必要な要素とは、セルフコントロールのようだ。
と言われても「わかったようなわからないような」微妙な気分だろう。
もっと具体的に言うと、パフォーマンスを最大限に発揮できるように自分の状態をコントロールするという事である。
言い方を変えれば、根性論でダラダラと働くのは辞めようという呼びかけだ。
情報化社会であらゆる場所に知性が発揮される今、「とにかく頑張る」なんて精神論での努力は通用しない。
自分のパフォーマンスを最大限発揮できる効率の良さが他のライバルに差をつけるのだ。
しかも、ここに書かれた成功の法則とは自分に厳しくする事ではない。
むしろ自分を甘やかすことで成功する法則なのだ。
著者の経歴
エマ セッパラ。フランス、パリ出身。イェール大学卒業後、コロンビア大学で修士号、スタンフォード大学で博士号を取得。現在、スタンフォード大学の“思いやりと利他主義の研究教育センター”のサイエンス・ディレクターであり、イェール大学で「幸福の心理学」を教えている。また、「フォーチュン500」の企業の経営者・従業員に対して組織づくりのコンサルティングをしているほか、グーグル、アップル、フェイスブック等での講演も多数
引用:著書より抜粋
自分を追い詰める事の弊害
あなたも薄々感づいているかもしれないが、自分で自分を追い詰めてはいけない。
自分を追い詰めれば結局、あなたは精神的に摩耗して本来持っている力を発揮できなくなる。
切羽詰まったり、忙しくしたり、心配したり、嫌な気分になること。
そういったネガティヴなものにエネルギーを使ったら、本当に大事なことにエネルギーが使えなくなる。
実は人間が持つエネルギーは無限ではなく有限であるという事を意識しておこう。
例えば人間の判断力といったものも有限のリソースである。
「今日は青い服を着るか、赤い服を着るか」
「昼食は和食か、洋食か」
「このメールは今返すか、後で返すか」
こういった事を一日中考え続けていると、段々と人間は思考力を奪われていく。
そしてやがて精神的に疲弊しきってあなたのパフォーマンスは著しく低下するだろう。
実は人間の思考も有限のエネルギーである事をしっておきたい。
それを知っていたら、ネガティヴなことにエネルギーを使おうとは思わないはずだ。
自分のコントロールの仕方
この本には最高のパフォーマンスを発揮するためのエッセンスが詰まっている。
だが「自分を甘やかしてもいいんだ」と知る事ができたのは嬉しかった。
自分を甘やかす場合、研究によって根拠があるという事を知っている場合と、全く知らない場合では心理的にも変わってくる。
例えば私はイスに座ってボーッとしている事が時々ある。
もしその効用について何も知らなければその時間が無駄に思え、私は自己嫌悪に陥るだろう。
だがもしボーッとする効用を知っていたらどうだろう?
一日を通して集中を切らさず、忙しくしていることは生産性を高めるどころか、損なう原因となる事を知っている。
実はボーッとする時間は思考を柔軟にし、創造性を発揮させる。
一見無駄に見えるこういう時間が仕事に工夫を生み出すアイデアの発想に繋がりやすいのだ。
こういった知識を持っていれば、ボーッとしていたとしても自己嫌悪に陥るどころか堂々と満喫できてしまうのである。
自分を甘やかす教科書
一つ注意したい。自分を甘やかすにしてもやっていい事と悪い事がある。
例えば仕事で失敗をしたのに、まったく反省もせず気にも留めないのは間違っている。
だがしかし、自分を激しく罵倒して屈辱的な気分をわざわざ味わう必要もない。
失敗はもちろん反省しなければいけない。だが同時に自分に優しくしてもいいのだ。
このバランスが少し難しいかもしれない。
この本は自分を甘やかしてあげるための教科書として有効なのである。
自分を甘やかすというのは、簡単そうで難しい。
無責任に自分を甘やかせば、ただの自己中心的で他人に迷惑をかける人間になってしまう。
しかし厳しくし過ぎれば今度は自分がつぶれてしまう。
だからこそ自分を甘やかすための判断基準が必要なのだ。
なぜ自分を甘やかすのかというと、潰れずに自分の力を最大限に発揮するためだ。
自分が成功へと近づけるような甘やかし方を学ばなければいけない。
そういう意味でこの本は、そのバランスの取り方を教えてくれる本だと言えるだろう。
もしもあなたが人生に苦痛を感じているなら、一度この本を手に取ってみて欲しい。
この本から何が得られるのか?
自分の甘やかし方を学べる。自分を大事にする事でどんな効果があるかを知れる。
この本の欠点
すでに自分を甘やかしすぎている人には逆効果かも。楽観的な人は読まない方がいい。
書評まとめ
自分に厳しくしている人、完璧主義な人、繊細な人、悲観的な人など、自分を責めがちな人におすすめの本。
評価
そこそこ
最後まで読んでくれてありがとう。あなたが好きです。